親の介護保険サービスを考え始めても、「どこへ申請するのか」「主治医の診断書を先にもらうのか」「家族だけで手続きできるのか」で止まりやすいものです。

要介護・要支援認定は、本人の住所地の市区町村へ申請します。法令上の基本は申請書と介護保険被保険者証ですが、本人確認、マイナンバー、40〜64歳の医療保険資格情報、代理申請の書類などは自治体と申請方法で異なります。

この記事では、2026年8月24日に厚生労働省と5自治体の公式案内を確認し、申請前の準備から認定調査、主治医意見書、結果通知までを整理しました。個別の要介護度や通知日は予測できないため、最後は本人の市区町村公式ページで確認してください。

要介護認定の申請・調査・結果通知タイムライン

使い方: いまどの段階にいるかを上から確認し、家族が確認することを一つずつ埋めます。自治体へ申請した日は控えを残し、認定調査と結果通知の予定を家族で共有してください。

段階行われること家族が確認すること
1. 相談申請が必要か、ほかに使える支援があるか整理本人の困りごと、住所地、相談先
2. 申請市区町村が申請書を受理最新様式、必要書類、受理日
3. 認定調査調査員が本人の心身・生活状況等を確認普段の介助と状態変化を事実で伝える
4. 主治医意見書市区町村が主治医へ作成を依頼主治医名と最近の受診状況
5. 判定一次判定後、介護認定審査会が二次判定家族が要介護度を予測しない
6. 通知市区町村から認定結果が届く区分、有効期間、次の相談先
7. 利用準備ケアプラン等を作り、サービスを選ぶ要支援・要介護に応じた窓口

申請を考える段階か迷う場合は、先に地域包括支援センターへ相談するタイミングを確認してください。介護準備全体の抜けを確認したい場合は、親の介護準備チェックリストも使えます。

要介護認定を申請できる人

65歳以上の人

65歳以上の第1号被保険者は、日常生活で介護や支援が必要になったときに申請します。病名に加えて、移動、食事、排泄、入浴、服薬、見守りなど、生活のどこで支援が必要かを整理します。

40〜64歳の人

40〜64歳の第2号被保険者は、医療保険に加入し、要介護・要支援状態の原因が政令で定める16種類の特定疾病による場合が対象です。

第2号被保険者は、申請時に医療保険の資格情報と特定疾病名の確認が必要です。対象になるかは病名だけで自己判断せず、市区町村と主治医へ確認してください。

申請先と申請を手伝ってもらえる人

申請先は、本人の住所地の市区町村にある介護保険担当窓口です。自治体によっては地域包括支援センターでも受け付けます。

本人や家族が申請するほか、次の機関に申請手続きの代行を相談できる場合があります。

  • 地域包括支援センター
  • 指定居宅介護支援事業者
  • 介護保険施設
  • すでに担当しているケアマネジャー

誰に依頼できるか、委任状や本人確認が必要かは自治体で異なります。遠方の家族は、まず親の住所地を担当する地域包括支援センターか、市区町村の介護保険担当へ電話してください。

郵送や電子申請に対応する自治体もあります。ただし、申請書を書いた日や郵送した日ではなく、窓口が受理した日を申請日とする案内例があります。申請日がいつになるか、提出先で確認します。

申請前に準備するもの

全国一律の持ち物と決めつけず、次を候補リストとして本人の市区町村公式ページと照合します。

  • 要介護・要支援認定申請書
  • 介護保険被保険者証
  • 本人の氏名、住所、生年月日、連絡先
  • 主治医の氏名、医療機関名、所在地、電話番号
  • 本人確認書類
  • マイナンバーの確認書類
  • 40〜64歳の場合は医療保険の資格情報が分かるもの
  • 代理申請の場合は委任状や代理人の本人確認書類

自治体によっては、被保険者証を紛失していても申請を受け付け、別の届出を案内する場合があります。マイナンバーが分からない場合の扱いも自治体差があります。書類が一つ見当たらないだけで申請を諦めず、窓口へ確認してください。

2026年は申請様式の変更にも注意

今回確認した世田谷区では2026年8月1日受付分から、札幌市では2026年4月1日から申請書様式が変更されています。古い保存ファイルを使わず、申請直前に公式ページから最新版を取得します。

主治医意見書は誰が依頼するのか

要介護認定では、市区町村が申請書に記載された主治医へ意見書の作成を依頼するのが基本です。家族が主治医意見書を先に取り寄せて申請書へ添える手続きとは限りません。

申請前には次を確認します。

  • 申請書に書く医師名と医療機関が正しいか
  • 最近、本人がその医師を受診しているか
  • 生活機能の変化を主治医へ伝えているか
  • 主治医がいない場合、どこへ相談するか

主治医意見書は認定審査の資料です。ただし、主治医が要介護度を単独で決めるわけではありません。

認定調査で確認されること

市区町村の認定調査員等が本人に面接し、心身の状態、生活環境、現在受けている医療などを確認します。

家族が準備するメモの目的は、普段の介助を具体的に伝えることです。認定結果を有利にする答え方を考えるためのものではありません。

項目書き方の例
移動居間からトイレまで壁につかまり、家族が後ろから見守る
食事配膳は家族。むせが週に何回あるかを記録
排泄夜間に声かけと移動介助が必要
入浴浴槽をまたぐとき両腕を支える
服薬一包化しても飲み忘れがあり、家族が毎晩確認
認知面同じ電話を繰り返す、火を消したか確認できない
状態の波できる日とできない日の頻度、直近の変化

本人の前で言いにくいことがある場合や、家族の認識と本人の説明が違う場合は、認定調査の日程調整時に伝え方を相談してください。

要介護認定は病気の重さそのものではなく、どの程度の介護サービスが必要かを判断します。病名が重いから必ず要介護度が高くなる、歩けるから低くなる、といった予測はできません。

一次判定と二次判定

認定調査の基本調査と主治医意見書等から、コンピュータによる一次判定を行います。

その後、保健・医療・福祉の学識経験者で構成される介護認定審査会が、一次判定を原案に、認定調査の特記事項と主治医意見書を加味して二次判定します。市区町村は判定に基づき、要支援1・2、要介護1〜5、非該当等の結果を通知します。

結果はいつ届くのか

介護保険法では、申請に対する処分は原則30日以内です。ただし、認定調査、主治医意見書、審査会などに時間を要し、30日を超える場合があります。

特別な理由で30日以内に処分できない場合、市区町村は処理見込期間と理由を通知して延期できる仕組みです。「申請すれば30日後に必ず届く」と予定を固定せず、受理日と問い合わせ先を控えます。

認定の効力は、法令上、申請日に遡ります。ただし、これは申請中に自由にサービスを使ってよいという意味ではありません。

結果前にサービスが必要な場合

転倒後の退院などで支援を急ぐ場合、申請中でも暫定ケアプランを作り、介護保険サービスを利用できることがあります。

一方、認定結果が非該当だった場合、見込んだ要支援・要介護区分と異なった場合、支給限度を超えた場合などは、利用料の全部または一部が自己負担になる可能性があります。

利用を始める前に、次を市区町村、地域包括支援センター、ケアマネジャーへ確認します。

  • どの区分を見込んで暫定ケアプランを作るか
  • 非該当や異なる区分だった場合の費用
  • 支給限度額を超えないか
  • 利用する事業者が必要な指定を受けているか
  • 結果後に必要な届出やケアプラン変更

結果が届いた後の相談先

要支援1・2

地域包括支援センター等へ相談し、介護予防サービスや地域の支援を検討します。

要介護1〜5

自宅で暮らす場合は居宅介護支援事業者のケアマネジャーへ相談します。施設を検討する場合も、いきなり空室だけで決めず、本人の状態と必要な介護・医療を整理してください。老人ホームの種類を一覧で比較すると、役割の違いを確認できます。

非該当

介護保険の認定が非該当でも、自治体の介護予防・日常生活支援総合事業などを相談できる場合があります。対象・内容は自治体で異なるため、地域包括支援センターか市区町村へ確認します。

住宅内の転倒対策が必要な場合も、工事や福祉用具を先に決めず、親の家の転倒リスクを減らすチェックリストで相談前の状況を整理してください。

申請前チェックリスト

  • 本人の住所地の市区町村公式ページを開いた
  • 最新の申請書を取得した
  • 介護保険被保険者証を確認した
  • 主治医の氏名・医療機関・連絡先を確認した
  • 本人確認・マイナンバー・代理申請の書類を確認した
  • 40〜64歳の場合は医療保険資格と特定疾病を確認した
  • 郵送・電子申請では受理日を確認した
  • 認定調査へ伝える普段の介助をメモした
  • 申請中にサービスを使う場合は自己負担リスクを確認した

よくある質問

家族だけで申請できますか

家族が申請できる案内が一般的ですが、代理権や本人確認書類の扱いは自治体で異なります。本人の住所地の窓口へ確認してください。

介護保険被保険者証をなくしても申請できますか

紛失時も受け付ける自治体の例がありますが、紛失届など別の手続きが必要になる場合があります。申請前に窓口へ伝えてください。

主治医の診断書を先にもらう必要がありますか

通常、主治医意見書は市区町村が主治医へ依頼します。申請書には主治医情報が必要です。主治医がいない、最近受診していないなどの場合は市区町村へ相談してください。

認定調査には家族が同席すべきですか

必須とは限りません。ただ、普段の介助や本人の状態の波を本人だけでは伝えにくい場合は、日程調整時に家族の同席や情報提供方法を相談してください。

まとめ

要介護認定は、本人の住所地の市区町村へ申請します。基本は申請書と介護保険被保険者証ですが、本人確認、マイナンバー、第2号被保険者の医療保険資格、代理申請の書類は自治体によって異なります。

申請後は、認定調査、主治医意見書、一次判定、介護認定審査会の二次判定、結果通知へ進みます。原則30日という規定はありますが、実際の通知日を保証するものではありません。

申請前には最新様式と受理日を確認し、認定調査では普段の介助を観察事実で伝えます。結果前にサービスが必要なら、全額自己負担の可能性も含め、利用開始前に地域包括支援センターやケアマネジャーへ相談してください。